眠りの質を高めると健康になれるという考えに潜む危険

公開日: : 最終更新日:2014/08/29 生活

【読了時間:約 4 分

眠りの質を高めることで健康になれるといった話がよく聞かれるが、私はそこに一石を投じたい。

たしかに、睡眠不足に陥っていれば、その分不健康を招くし、質が悪いと体の各機能も回復できずにうまく働かなくなったりする。また、疲労がとれないと重大な病気を招く恐れもある。

血行促進には、質の良い眠りが大切であることも、以前の記事のどこかで述べたように思う。

ただ、眠りの質を高めると健康になるといった考え方には危険も潜んでいる。

今回はその点について述べていこう。

睡眠時間と死亡リスクの関係

睡眠時間が長いと死亡リスクが高まる?

眠りの質を高めるつもりで睡眠時間を多く確保している方は要注意だ。次のデータを見ていただきたい。

【男性】 
睡眠時間 : 死亡リスク倍率
4 : 0.5~1.0
5 : 1.0~1.5
6 : 1.0~1.5
7 : 1.0
8 : 1.0~1.5
9 : 1.0~1.5
10 : 1.5~2.0

【女性】
睡眠時間 : 死亡リスク倍率
4 : 2.0
5 : 1.0~1.5
6 : 1.0~1.5
7 : 1.0
8 : 1.0~1.5
9 : 1.5~2.0
10 : 2.0

これは、JACC Studyに所属する玉腰暁子氏の研究報告を基にしたデータだ。だが便宜上、私が勝手に表示を変えている。グラフは「睡眠時間と死亡との関係」というページにあるので、良かったら見ていただきたい。

そこで、今回データとしてお借りしたのは、そのページの下側にあったグラフだ。
玉腰氏はそのグラフについて、

うつ症状、自覚的ストレス、喫煙や飲酒、教育歴や既往歴を計算に入れ、さらに(何か重篤な病気にかかっていたために調査時点の睡眠時間が影響を受けている人を除くために)調査したときから 2年以内に死亡した方を除いて計算をしてみました。

と述べている。

さて、本題に戻るが、上の死亡リスクデータを見ていただいてどう思われるだろうか。

確かに、睡眠時間が短い場合、死亡リスクが高くなっている。でも、睡眠時間が多くなった場合も死亡リスクが高まっている。

睡眠時間が長ければ健康に良いとされていたはずが、このありさまだ。

なぜ、そうなるのかはいまだにはっきりとはしていないようだが、玉腰氏は自身の見解を述べているので、興味がある方は「睡眠時間と死亡との関係」のページを一読してみよう。

眠りの質と時間との関係

ところで、時間の多い少ないは眠りの質にはさほど影響しないと私は考えている(無論、全く関係ないわけではないが)。

だから、ハッキリ言ってしまえば、上でご紹介したデータを取り上げた意味は無いのだ。

だが、なぜ取り上げたのかというと、「眠りの質を高めるなら睡眠時間を多くすれば良い」と考えている方が圧倒的に多いからだ。

ネット上で睡眠について調べてみるだけでも、量より質のほうが大事だということは多く触れられている。にもかかわらず、私の周りの人たちは、量を増やすほうに専念してしまっている現状だ。私もそのひとりかもしれない。

一方で「量も大事だ」といった考え方を講じているサイトや人も存在している。

つまり、人々はあらゆる情報に溺れ、何が何だか分からない混乱状態に陥っているのだと私は考える。いや、それを通り越して、結局「たくさん眠れたら良い」という考えに落ち着いているのかもしれないと思った。

ゆえに、前項ではデータをお見せしたのだが、いかがだっただろうか。先ほどのデータを信用するのであれば、量を増やしても結局はあまり健康に良いとは言い切れないのだ。

ただ、玉腰氏は、

もしかすると本人も気づいていない病気が潜んでいて、そのために睡眠時間が長くなり、また死亡しやすくなっているのかもしれません。

という推察をわずかにしているため、はっきりとしたことは私も言えない。

とにかく、眠りの量にこだわることはナンセンスかもしれない、という気がするのだ。

眠りの質とは?

では、眠りの質とは何だろうか。量が関係ないと仮定するなら、どのようにして高めると良いのだろう。

その方法は色々あるとは思うが、私から申し上げたいのは、自律神経の調子を整えてあげることだ。

自律神経と睡眠

自律神経には交感神経と副交感神経があるが、睡眠時は副交感神経が優位に立ち、あなたの体をリラックスさせて回復を促してくれる。これが質の良い状態だ。

しかし、自律神経が狂えば、交感神経と副交感神経の機能バランスが崩れてしまい、結果、質の悪い眠りとなってしまうのだ。

また、自律神経の不良は、当ブログで何度も述べている血行促進をも阻む。血の巡りが悪くなってしまうと、体の至る所で不備が生じる。肌はくすむし、内臓機能も弱まる。

そして、質の悪い眠りによってさらに自律神経は狂うので、あなたの生活は悪循環に陥ることになってしまう。

一方で、血行促進や自律神経の回復には睡眠の改善が大切というが、質の良い睡眠をとるには、日頃の生活習慣を変えていく必要がある。

ストレスを抱えないこと、食事のバランスを考えること、そして不摂生をしないこと、色々あるだろう。また、病気を抱えていれば眠りの質が低下したりもする。

単に「眠りの質を高める」といっても、一筋縄にはいかないのが実情なのだ。

健康のためには全てがリンクし合っている必要がある

私はいつも血行促進について語っているが、それを達成するためには、ただひとつのことをやれば良いというわけではない。

例えば、にんにくや生姜などを使って血行促進効果のある食事を摂っても、睡眠の質が悪ければ、血行の良さは一時的なもので終わってしまうかもしれない。

また、睡眠の質が良くても、食生活が悪くなれば、その後の睡眠の質は低下してしまう。

今は、食事と睡眠の関係を例にとったが、生きている以上、あらゆることが互いにリンクし合っているのだ。

そこを忘れてはならないだろう。

では、血行促進は無意味か?

私は、体を温めること、冷めないようにしてあげることは、自律神経を整える上で大切な作業のひとつだと考えている。

当ブログでは、にんにくやカレーライスが良いとか、こんなエクササイズが良いとか、血行促進に直に効くおすすめの生姜ドリンクなどをご紹介したりしているが、決して無意味ではない。

前項の話は「それだけでは駄目だ」ということであり、必要ないとは述べていない。むしろ必要だろう。

まとめ

眠りの質を高めるというのは大切なことだ。だが、それを「イコール、量を増やすこと」と考えているのであれば、その考えは今日で取り払おう。量ばかりにこだわって寿命を短くしても悲しい。

また、病気が無いかどうか気にしながら、常に自分の体に目を向けてあげるのも重要だ。

当記事で述べたように、あらゆる面から健康について気を遣っていただきたく思う。そのうちのひとつが、当ブログのコンセプトである「血行促進」なのだ。

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